最近は健康や病気に対する意識が高まっていて、テレビや雑誌などで
「脳卒中」や「脳梗塞」という言葉をよく耳にしますよね?
では実際にはどういうことが起こっているのでしょうか?
脳梗塞・脳出血・脳塞栓・脳血栓などなど、脳の血管に急激に異常を起こして
発症する疾患の総称を「脳卒中」といいます。
その中でも今回は「脳梗塞」についてのお話です。
脳というのは人間の体の中枢ですね。
脳が働くから、人間は動き、考え、感じとり、感情が動きます。
その大切な脳は血液から栄養をもらって、活動しています。
逆に言えば、血液がないと脳は活動しません。
活動しないということは脳の細胞が部分的に「死ぬ」わけです。
では、「血液がいかない」状態はどういうときになるのでしょう?
それは、血管の中に何かが(かさぶたや脂肪や空気など)詰まると
その血管の先にある「脳」まで血液が到達しません。
そうなると脳が栄養されずにその部分が活動しなくなってしまいます。
それが脳梗塞です。
「
活動しなくなってしまった細胞にもう一度栄養をあげればどうだろう?」
一度、死んでしまった生物(細胞)に栄養をあげても戻ってはきません。
「
細胞が再生する といったことを良くききます。」
皮膚や血液、結合組織(いわゆる肉)といった細胞は
死んでしまった細胞が復活するわけでなく、
新しく細胞が生まれてくるので、再生します。
しかし、中枢の神経細胞である脳には「再生機能」がないのです。
「
では、絶対に良くならないじゃないか!!」
いいえ、まだまだ良くなります。
脳梗塞によって脳の一部が機能しなくなっている状態の方の
ほとんどが機能するはずの能力もついでに使わなくなっています。
体が使い方を忘れてしまったり、しばらく使っていない筋肉は脳が
使うことを命令しなくなります。
それをもう一度呼び起こして、使うことができれば
ぐんと良くなっていくでしょう。
また、「脳は数%しか使われていない」といったことを
よく耳にしますが、
その通り!!
脳には再生機能がない代わりに
近くの細胞が「活動しなくなった細胞」の役目を代行してくれる
機能があるのです。
そのためには訓練が必要なのですが、まだまだ回復する可能性を秘めています。
さらにはこれからの話ですが、医療技術の発展でiPS細胞などの
「再生医療」では、無限の可能性があります。。
医療は患者さんの味方です。
信じてみてください。